お薬手帳アプリとQRコードの関係

2025.02.19

お薬手帳とは

 

お薬手帳とは、その人が使用した薬の履歴(処方日、薬品名、処方量、服用回数・方法など)やアレルギーの有無などを記載した手帳で、A6サイズ程度の冊子です。病院を受診したり薬局で薬を処方してもらう際に持参・提示することで、医師や薬剤師が飲み合わせなどを判断して、より的確にお薬の処方ができるようになります。

 

お薬手帳が誕生したきっかけは、別々の医療機関で処方された薬を使用することで副作用を起こし、死亡事故につながったことだと言われていますが、1995年の阪神淡路大震災では患者のカルテなどが失われた状況でも、薬の服用履歴を確認することができてその評価が高まりました。そして2011年の東日本大震災などを経て、国も医師や薬剤師も、お薬手帳が診療や調剤に不可欠なものと認識が高まり、2014年には調剤報酬の改定でお薬手帳の利用を薬歴管理料算定の必須の条件とする改革が実施されました。

 

ただ、実際には複数のお薬手帳をもっていて一冊にまとめていなかったり、 必要な時に家に置き忘れてきてしまったりと、紙の手帳であるが故にデメリットもあるのも事実です。そこで登場したのがスマホのお薬手帳アプリ。これなら複数冊になったり家に置き忘れてしまったりというリスクを減らすことが出来ます。

 

お薬手帳アプリはどこで手に入れられる?

 

紙のお薬手帳は無料で調剤薬局でもらうことができますが、お薬手帳アプリも一般的には無料で提供されています。アプリの提供元は大手の調剤薬局や大手ドラッグストアチェーンだったりIT系の会社だったり様々。実に多くのアプリがリリースされており、いずれもアップルのApp Store、GoogleのGoogle Playからダウンロードが可能になっています。

 

どんな機能がある?

 

アプリの機能も様々です。医療機関でもらった処方箋をカメラで撮影してそのまま薬局に送信できる機能(これで薬局での待ち時間が短縮可能になります)、薬を飲むタイミングをアラートで教えてくれる機能、薬局の薬剤師さんとリモートで相談ができる機能、薬だけでなく血圧や体温なども入れられる健康管理機能、自分だけでなく家族の薬も管理できる機能などなど、提供元によって機能もまちまちですが、お薬手帳ですので処方された薬を登録する機能はどのアプリにも備わっています。

 

アプリと連携している調剤薬局であれば処方された薬は自動的に記録されることもありますし、連携していなくても「お薬手帳は紙のものではなくアプリを使っています」と申し出れば以下のようなQRコードが印刷された調剤明細書や領収書などを渡してくれますので、それを自分で使っているお薬手帳アプリのQRコードリーダーで読めば入力作業の必要なく登録されます。

 

※薬の処方データは量が多く、連結された複数のQRコード(連結QRコード)に分けて入っていることも多いようです。一般のQRコードリーダーアプリでは連結QRコードを読むことができないものが多いようですが、お薬手帳アプリのQRコードリーダーであればそれぞれのQRコードを読み、アプリに自動的に登録されます。

 

どれだけの人がお薬手帳アプリを使っている?

 

そんな便利なお薬手帳アプリですが、当社の超速アンケートシステム「ICONITリサーチ」を活用してその利用状況について調べてみました。

 

アンケート実施日:2025年2月8日
回答者数:21,618人
回答者性別:女性5,314人 男性15,446人 回答しない858人
回答者年代:20代以下1,310人 30代1,223人 40代9,911人 50代以上9,174人

 

 

Q1:お薬手帳アプリを利用していますか。
1.利用している 3,889 18%
2.利用していない 17,729 82%
(Q1で「利用していない」と返答した人に対して)

Q2:利用されない理由を選んでください(複数回答)

1.紙の手帳の方が便利だから 5,385 30%
2.必要性を感じないから 1,577 9%
3.アプリだとデータ漏洩とかが不安だから 1,084 6%
4.利用が面倒だから 3,592 20%
5.病院にあまり行かないから 7,420 42%
6.アプリは電池や電波がないと使えないのが不安だから 1,709 10%
7.その他 754 4%
以下の質問はQ1で「利用している」と返答した人に対する質問です。

Q3:よく利用する機能を教えてください(複数回答)

1.処方箋の画像送信(薬局への受け取り前送信) 1,502 39%
2.服薬アラーム 278 7%
3.QRコードなどでのお薬情報登録 1,503 39%
4.オンライン服薬指導(薬局とのオンライン通話) 344 9%
Q4:利用したきっかけは
1.薬局で案内を見たから 981 25%
2.薬局で勧められたから 1,053 27%
3.紙の手帳が不便だと感じたから 525 13%
4.その他 68 2%
Q5:どのお薬手帳アプリを利用していますか
CARADAお薬手帳 71 2%
eお薬手帳3.0 83 2%
harmo(ハルモ) 60 2%
kakari 105 3%
お薬手帳(EPARK) 1,322 34%
お薬手帳プラス 224 6%
スギ薬局お薬手帳アプリ 296 8%
ヘルスケア手帳 188 5%
ポケットファーマシー 149 4%
健康おくすり手帳 184 5%
上記以外 550 14%

 

※「利用していない」と回答された方も利用状況について回答されていたり、無回答があったりすることで質問によっては回答者総数と合わないものもあります。

 

今回のアンケート結果を見ると、まだお薬手帳アプリの利用率は2割程度となっています。「病院にあまり行かないから」必要性を感じないというのは当然かと思いますが、逆に言えばまだ普及する可能性が大いにあるとも言えるかもしれません。「利用したきっかけ」で多いのが「薬局で勧められたから」「薬局で案内を見たから」とあるように、普及のポイントは薬局でのアピール方法かもしれませんね。

 

また、「よく利用する機能」で「処方箋の画像送信」と「QRコードなどでのお薬情報登録」を多くの方が挙げていますが、お薬手帳アプリはスマホならではのカメラ利用の手軽さやQRコードとの相性の良さが有効活用されているアプリと言えます。それだけにその性能や操作性がアプリの出来の良し悪しを決めるポイントの1つとも言えそうです。

 

お薬手帳アプリの疑問

 

次にネット上に掲載されていた「お薬手帳アプリに対する疑問」で多かったものについて見ていきたいと思います。

 

<スマホを機種変更したら?>

これは他のアプリでも同様ですが、事前にアプリで会員登録をしてID番号やメールアドレスとパスワードを控えておきましょう。新しいスマホに変更しても、そのアプリをダウンロードしてID番号やパスワードを入力することでデータは引き継がれるようになっていますのでご安心を。

 

<マイナンバーカードとの連携は?>

マイナポータルにはマイナ保険証で受診した医療機関の診療内容や、処方された薬情報なども記録されていますが、そのデータをお使いのお薬手帳アプリに取り込むことも可能になっています。これによって、お薬手帳アプリを使う前に処方されたお薬情報を取り込むことが可能です。取り込み方はアプリによって違っていますので、詳しくはお使いのアプリのFAQなどをご確認ください。

 

<医者や薬局でどうやってアプリを見せたらいいの?>

基本的に医療機関では患者の許可なく、患者のスマートフォンの操作をすることはありませんので、ご自分でアプリを操作して登録された薬情報の画面を見てもらうのが手っ取り早いですね。アプリによってはワンタイムコードを発行して、そのコードを薬局などのパソコンに入れることで薬情報を確認できるものもあるようです。

 

<通信できない環境ではどうなるの?>

一般的にお薬手帳アプリに入っている利用者の薬情報などはクラウド上に保存されており、アプリを利用するためにはインターネットの通信環境が必要になってきます。そのため電波状況が良くない時や災害で通信障害があるような場合には、薬情報の閲覧や登録が困難となる場合もあります。アプリによっては履歴などはオフラインでも見られるようになっているものもあるようですが、原則は通信環境が必須となります。つまり利用の際にはデータ通信も発生している、ということになります。

 

お薬手帳アプリで活躍するCamReader

 

最後に当社の宣伝を少しさせていただきます。当社のQRコード/バーコードを読み取るライブラリ(ソフトウエア)の「CamReader」は、QRコードやバーコードを素早く読み取れるだけでなく、連結QRの読取りにも対応しており、その性能の良さが評価された結果、大手薬局様や大手ドラッグストア様などのお薬手帳アプリに利用されています。

 

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※本コラムに掲載した商品名、サービス名、会社名またはロゴマークは、各社の商標、登録商標もしくは商号です。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。

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